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アート購入に役立つ!アートに必要な10の視点アート購入に役立つ!アートに必要な10の視点

絵画購入の際にいくらまでが経費、減価償却資産の対象になるか?

法人が絵画等の美術品を購入した場合に、経費もしくは減価償却資産として認められるのかどうかということにつきまして、国税庁の通達 「平成27年1月1日以降に取得する美術品等についての扱い(法人税基本通達7-1-1等)」に基づきご説明させて頂きます。

この基本通達の内容は下記の通りとなっております。

1.原則

①取得価額が1点100万円未満である美術品等は原則として減価償却資産に該当する。(経費化できる)

②1点100万円以上の美術品等については、原価償却資産に該当しない。(経費化できない)

2.例外

①1点100万円未満のものであっても 「時の経過によりその価値が減少しないことが明らかなもの」については原価償却資産に該当しない。

②1点100万円以上のものであっても 「時の経過により価値が減少することが明らかなもの」については減価償却資産に該当する。

3.「時の経過によりその価値が減少することが明らかな」美術品に該当するか否かの判断については、 「国税庁HP 美術品等についての減価償却資産の判定に関するFAQ」を引用させて頂きました。

「例えば、次に掲げる事項のすべてを満たす美術品等が挙げられます。

①会館のロビーや葬祭場のホールのような不特定多数の者が利用する場所の装飾品や展示場(略)として取得されるものであること。

②移設することが困難で当該用途のみに使用されることが明らかなものであること。

③他の用途に転用すると飾ると仮定した場合に、その設置状況や使用状況から見て美術品としての市場価値が見込まれないものであること。

なお、この例示に該当しない美術品等が『時の経過によりその価値が減少することが明らかなもの』によりその該当するかどうかの判定は、これらの事項を参考にするなどして、その美術品等の実態を踏まえて判断することになります。」

4.減価償却資産に該当する美術品等の減価償却について 償却方法及び償却年数について等詳細に書かれていますが、あまり詳細に書きましと複雑すぎてかえって分かり難くなると思いますので、この項は省略致しました。詳しくお知りになりたい方は国税庁のホームページをご覧ください。

上記の国税庁通達の基準を踏まえて、減価償却資産としてではなく、経費として認められる金額の上限はいくらなのか?また、経費として認められる金額の上限を超えると必ず減価償却資産として処理しないといけないのか?という疑問をお持ちの方もおられることと思います。 そのような疑問をお持ちの方には下記の内容が参考になるのではないかと思いますのでお読み頂ければと思います。

先ず、経費として認められる金額の上限はいくらなのか?という点ですが、 10万円以下の美術品であれば消耗品費として購入した会計年度で経費にすることができます。

次に、経費として認められる10万円を少しでも超えるとすべて減価償却資産として処理しないといけないのか? という疑問につきましては、次の要件を満たす法人には下記の特例がございます。

国税庁通達の基準に照らして、その美術品等が減価償却資産に該当するのであれば、中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例(租税税特別措置法の67条の5) の適用が受けられますので、1つ30万円未満の美術品等であれば、減価償却せずに消耗品として経費にすることができます。

ただ、特例の適用には

①青色申告者である個人及び法人(資本金1億円以下の法で、従業員が1,000人以下)が対象。

②1年に最大300万円を限度とする。

③令和2年3月31日に取得したものに限る。 という制限があります。 ※上記の期限は今後も延長されるかとは思います。

以上、絵画等の美術品を購入される場合にかかる税金についての考え方に関しまして、大まかにご説明させて頂きました。

ならば、

会社のエントランスや会議室に購入する、

ホテルのエントランスや客室に購入する、

老人ホーム・老人施設に購入する、

マンションのエントランスに購入する、

場合はどうなのか、等々の個別な内容について疑問をお持ちの方は、このブログを参考にして頂きながら御社の税理士さんにご相談頂きますようお願い申し上げます。